ABOUT IOS

口腔内スキャナーについて

口腔内スキャナー(IOS)についての紹介や、補綴治療用印象採得装置としての簡単な解説です。

もし誤りなどあればご指摘いただければ幸いです。

口腔内スキャナーの概要

口腔内スキャナー(オーラルスキャナー、Intraoral Scanner、IOS)は光学印象採得装置として医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)に則り管理医療機器として認証を受けた医療機器のひとつです。

以前からあった口腔内カメラは一般医療機器で口腔内の状況を2次元的に撮影し閲覧するもので、治療に用いることはできませんでしたが、口腔内スキャナーは3次元的に撮影し多方向からのデータを合成してモデリングすることで、PC上で口腔内の色調、寸法、距離なども再現し、閲覧が可能となりました。補綴物を作製するための精度も有しているため、従来のアルジネートやシリコン印象材による印象法に代わって補綴治療に用いたり、コンサルテーションや予防への活用も期待されています。
その歴史は意外と古く、1980年代中頃にはインレー治療用としてCERECシステムが開発され、昨今のデジタルデンティストリーの流れに乗り、現在では様々なメーカーから販売されるに至っています。

歯科用CAD/CAMの潮流

そもそも歯科用CAD/CAMと呼ばれるテクノロジー及び機器は従来法の作業では取り扱うことのできなかった新しい歯冠修復用セラミックス材を用いるために工業界から転用され、口腔内スキャナーもそのひとつとされています。アルミナスやジルコニアによる補綴物を提供するために模型用スキャナー(ラボスキャナー)と歯科用CADソフトウェアが、また、元々工場集中型で加工されていた先述のセラミックス材を各歯科技工所内でも加工できるように中〜小型のミリングマシンがそれぞれ時期を別にして歯科技工所に導入されてきた経緯がありますが、歯科医院内へ導入される歯科用CAD/CAMシステムは、多くの場合で口腔内スキャナーが最初になるのではないでしょうか。
これまでの歯科のデジタル化はCT、カルテ、口腔内撮影用カメラなど、直接治療に用いる機器は少なく、口腔内スキャナーの導入により、印象採得という補綴治療における大事なステップがデジタル化されることとなります。光学印象データを受け取った歯科技工所がレジン系やジルコニアなどのセラミックス系による歯科技工物を作製するステップは以前からデジタル化されており、最終仕上げ(研磨やグレーズなど)といった従来通りの手作業が必須なステップや、支台歯形成やセットといったステップを除き、これで補綴治療の大部分がデジタル化され、まさにデジタルデンティストリーと言える時代となりました。

口腔内スキャナーの種類

日本国内で認証を受けて販売されている口腔内スキャナーは世界的に見ると限られていますが、最も老舗のデンツプライシロナ社CERECシステム(Omnicam、Primescan)、スリーエム社True Definition、3Shape社Trios3、Carestream社CS3600(トロフィー)、Planmeca社PlanScan、Align Technology社iTero、Medit社i500(コエックス)などが挙げられますが、今後増えていくことは確実視されています。
カートタイプと呼ばれる、画面とPC本体、ワンドと呼ばれるスキャナー部が一体型となっているものがCERECとiTero、ワンド部とPC本体(主にノートPC)を有線接続で使用する(分離タイプ)ものがTrios3、トロフィー、PlanScan、コエックスで、カートタイプかコンパクトタイプか選択可能なのがTrue Definitionとなっています。また、True Definitionを除く全ての機種がパウダーフリー(撮影時に歯牙などに専用の粉末を塗布しなくていい)であり、且つカラー撮影が可能となっています。
2019年の新機能としてはう蝕(性)検知機能で、Align Technology社iTero Element 5D、Planmeca社Emerald S※、3Shape社Trios4※に搭載され、歯牙表面や隣接部のう蝕(性)をスキャンする事で検知する事が出来るようです。(※に関しては日本未発売)
今後は歯牙の色調測定機能の強化や、スキャンスピード向上、ワンドのワイヤレス化(Trios3,4で搭載済)などの機器やソフトウェアの向上と、口腔内の防湿処理法や効果的なスキャン順などのメソッドの充実により、より日常使いし易く、また活用法が広がる事が期待されています。

口腔内スキャナーと補綴物作製

現在購入可能な口腔内スキャナーの内、スキャナー単体かもしくは院内用ミリングマシンとセットで購入かを選択可能なのがCEREC、トロフィー、PlanScanで、その他はスキャナー単体のみ(カートタイプか分離タイプか問わず)の販売となるため、補綴物作製を外部の歯科技工所などに委託する必要があり、その場合委託先の歯科技工所には歯科用CAD/CAMの設備が必須となるので、今後益々歯科医院と歯科技工所の連携が重要となってきます。
一方院内用ミリングマシンを購入された場合でも全ての補綴物を内製することは困難で、特に作製の難易度が上がるロングスパンブリッジやインプラント補綴、ジルコニアといった材料による補綴物作製はその多くが外部の歯科技工所への委託となる可能性が高いため、歯科技工所にはより充実した設備や知識などが必要となってきています。

印象採得装置として重要なこと

印象体がなければ補綴物の作製はできませんので、口腔内スキャナーからの口腔内データがなければ補綴物は作製できません。その上補綴物作製に必須な情報(支台歯部やマージン部)がきちんと撮られていなければ作製する事ができませんし、あるべき情報(隣接歯部や対合歯部)がきちんと撮られていなければチェアサイドにて多大な調整時間を要することになるため、撮影後の口腔内データの確認は撮影操作自体と同じ位に重要なステップです。
ここで述べた「きちんと」撮られているというのは、データの不足(穴)や、唾液や血液などの水分によるデータの歪みや荒れが無いこと、及び対合歯部からの距離(クリアランス≒補綴物の厚み)が十分に保たれていることであり、データを受け取った側が不足部分を補ったり改ざんする事はできず、一部できたとしてもそこから作製された補綴物の品質は保証できません。

歯科医院内において必要な知識とツール

補綴物の作製に不備のない口腔内データを採得するためには、データ送信先や口腔内データから作製できる補綴物なのか、周りの環境的に口腔内スキャナーによるデータ採得が十分に可能なのかの判断、CAD/CAM用支台歯形成術、撮影前のマージン部の圧排処置や口腔内の防湿コントロール、口腔内スキャナーの特質を理解した撮影手順、送信前における撮影されたデータの確認事項、インプラント補綴の場合は最終補綴物を意識したスキャンボディの選定など必要なことは多岐に渡りますが、口腔内スキャナーの操作以外においては特別なことではありません。

しかしインプラント補綴におけるスキャンボディの選定については、事前に送信先の歯科技工所にご相談されることをお勧めしています。

選択されたスキャンボディによって補綴物に利用できるコンポーネントが制限されたり、補綴方法が制限されたりするためです。また、スキャンボディの撮影データから埋入されたインプラントの種類や径を判断することは難しく、スキャンボディの種類とともに、埋入されたインプラントについても送信先に共有していただくなど、歯科医院と歯科技工所のコミュニケーションがより重要となってきます。

補綴治療用途以外の活用について

治療以前に、なぜ治療の必要があるのかを患者様に納得いただくためのコミュニケーションツールとして、レントゲン画像で説明するよりも、3次元のスキャン画像をお見せした方が理解が深まり、納得に繋がることもあるでしょうし、補綴治療の場合は保険治療か自費治療かのコンサルテーションに用いることもできるでしょう。

また、予防としてプラークチェッカー後の染め出された状態をスキャンし、ブラッシング指導に用いたり、PMTC前後の違いをより感じてもらう目的に用いたりなど、直接治療に繋がらない用途としても活用できるかと思います。

 

忘れてはならないのが、矯正治療、特にマウスピース型矯正用に口腔内スキャナーを利用することです。

アライン・テクノロジー社はインビザラインでよく知られていますが、iTero Elementはスキャンしたデータをアライン社へ送信することで、インビザラインの作製依頼を行うことができます。

この他、デンツプライ・シロナ社のCERECシステムにおいては近々シュアスマイルという同じくマウスピース型矯正の作製依頼ができるようになるようですし、スリーシェイプ社のTrios3においても矯正治療用途にも用いることができるようになり、今後益々の活用の広がりが予想されます。

今後のさらなる利活用とは

20歳の時の咬合関係を将来の自分のために保存をしておくことで、度重なる補綴治療を施された後のその患者様の治療のゴールとして大いに参考となり、補綴治療とならないために予防に意識を向けていただくためのモチベーションとしても有効となり得ることは想像に難くないことと思います。

 

一方、昨今の台風などによる大災害をはじめとし、震災クラスの大地震がいつどこで起きてもおかしくない状況が日本各地で指摘されています。残念ながら被災され命を落とされてしまった場合に少しでも早くご遺族にお戻しするためには身元確認が不可欠です。

大部分の確率で身体的(外見や身につけている物の)特徴から確認を行うことが可能ですが、一部では損傷が激しく歯科的特徴で判断することも少なくありません。歯科的特徴というのは周知の通り歯科治療痕との照らし合わせですが、若年者の歯科治療が年々減ってきている現状では、治療痕すら無い場合も予想されます。

そのような中でも身元確認に用いられているのはDNA鑑定ですが、そもそも比較となるご遺族がハッキリしていなかったり、ご遺品等が無い場合はDNA鑑定もできないことがあり、その場合は身元確認にかなりの時間を要する事になる可能性があります。

当社では口腔内データマッチングシステムを開発し、保存されている口腔内データベースの中から新たに採得されたデータと近似するものを検索するシステムで、データベースが増えることで検索条件が向上し、前述の課題も克服できるようになるかもしれません。

 

チェアサイドで採得したデータをチェアサイドや院内で活用する方法や、データを保存することで全く別の用途に活用する方法など、口腔内のデータ化はこれまでは想像もできなかった活用方法に繋がる可能性を秘めており、今後広く普及していくことを期待してやみません。

ABOUT OUR REMOTE SUPPORT

リモートサポートについて

私たちが行っているサポートは、インターネットを通じた

画面の共有による口腔内スキャナー撮影のサポートや、撮影されたデータの確認

リモートサポート1

PCの遠隔操作による院内歯科用CADソフトウェアの操作(補綴物デザイン)

リモートサポート2
であり、口腔内スキャナーのメーカー、機種は問いません。
①に関しては②へつながる、もしくは当社へ補綴物作製委託をしていただく前提でのサポートとなりますのでご了承ください。

ご利用例としては

  • 導入済みの口腔内スキャナーがあるがしばらく使用しておらず補綴治療に用いようにも不安がある
  • 新規に導入して間もないため補綴作製に必要な情報を採得できるか不安がある
  • これまで口腔内スキャナーで行なったことのない補綴治療の際
  • 歯科医師及び歯科衛生士へのトレーニングとして
  • 主に口腔内スキャナーを使っていた方が引き継ぎを十分に行えなかった場合の補助として

など、様々です。
補綴物作製の委託をしていただける前提のサポートが主となりますので、それ以外の用途や比較的時間のかかる事が予想されるトレーニング用途に関しては費用は別途ご相談させていただきます事をご了承ください。

リモートサポートご利用にあたっては、事前にUSBヘッドセットをご用意ください。チェアサイドでは周りの音も聞こえるよう片耳タイプのヘッドセットがお勧めです。(BluetoothタイプはIOSやPCが対応しているか必ずご確認ください)

詳しくはお問い合わせください。

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

よくあるご質問

どのような歯科技工所ですか?

口腔内スキャナーからのご依頼のみに対応し補綴物を作製する歯科技工所です。全国どこからでもご依頼いただけ、作業用模型を造形しないモデルレス、短納期、低価格によるご提供が実現しました。

補綴物作製以外に、インターネットを通じたリモートによる口腔内スキャナーの操作サポートや、歯科セミナー、勉強会等の企画も行います。

会社情報はコチラでご確認ください

何ユニットまでの補綴物に対応していますか?

弊社では基本モデルレスで補綴物を作製していますので、初めは3ユニットブリッジ程度までの補綴物から徐々に大きめのケースに適応していただければと思います。IOSの種類により推奨ユニット数は異なりますのでご注意ください。

モデルレスということですがフィットなどは大丈夫ですか?

初めての症例の場合は調整をしていただくことがあるかも知れませんが、どこをどの程度調整されたなど情報共有をいただければ適宜調整をし、ご依頼毎により適合の良い補綴物をご提供いたします。

従来の印象体での補綴物作製依頼も可能ですか?

もちろん可能です。ただ実際にお引き受けとなるのはグループ会社となりますので納期や技工料金などはそちらに準じます。

主な補綴物の納期はどうなっていますか?

主な補綴物の納期は以下の通りです。

 

フルジルコニアクラウン
フルジルコニアインレー・オンレー
CAD/CAM冠

 

いずれも17時までのデータ及び歯科技工指示書の受取りを当日、17時以降は翌日扱いとなります。

上記以外の補綴物や、模型造形が必要と判断された場合はグループ会社での作製となる可能性があり、納期等変わることがあります。

リモートサポートとはどのようなものですか?

チェアタイムに合わせてご予約をお取りいただくことで、リモートによりクリニック内の口腔内スキャナーのPCを拝見できるようにし、リアルタイムに撮影時のコツや適切なデータが採得されているかを確認いたします。

初めてのご利用の際には準備やご用意いただきたいものがございますので事前にご相談ください。詳しくはコチラ

グループ会社とはどちらですか?

大阪・江坂で15年程デジタル歯科技工を行なってきている、株式会社デンタルデジタルオペレーションと、その他連携歯科技工所となります。

いずれの歯科技工所での一部作業となっても、補綴物の品質が一定に保たれるよう、当社も歯科技工所として工程や使用材料、先生方からの指示など管理しております。

その他のご質問などはフォームからお問い合わせください